家事の時短アイテムとして大人気のビルトイン食洗機。しかし、いざ設置を検討して調べてみると、「ブロックキッチン(セクショナルキッチン)には後付けできない」という事実にぶつかり、首をかしげる方も多いのではないでしょうか。
「サイズさえ合えば、下の棚をくり抜いてスポッと入れられるのでは?」 「なぜシステムキッチンじゃないとダメなの?」
一見すると、単なるデザインや呼び方の違いに思える2つのキッチン。しかし、その裏側には「構造」の決定的な違いが隠されています。
今回は、なぜブロックキッチンにはビルトイン食洗機がつけられないのか、その理由を構造や配管の仕組みから分かりやすく解説します。
構造でわかる決定的な差
食洗機が入るかどうかの最大の別れ道は、キッチンの骨組みにあります。一見すると似たような形をしていても、内部の造りによって後から大型の機器を追加できるかどうかが明確に分かれます。
ブロックキッチンは「積み木の並列」
ブロックキッチンは、シンク台や調理台、コンロ台という独立した箱を横に並べて置いている構造です。一つひとつのパーツが完成品として自立しているため、間に別の機器を割り込ませるのが難しい作りになっています。
たとえば真ん中の調理台を取り除いて食洗機を入れようとすると、壁面や天板を支える骨組みごと丸々なくなってしまいます。キッチン全体の強度が保てなくなるため、無理に組み込むのは現実的ではありません。
システムキッチンは「1枚天板のテーブル」
システムキッチンは、上に丈夫な1枚の天板が渡してあり、下の収納は差し替え可能なボックスのような役割を果たしています。
この構造を知ると、システムキッチンで機器の追加がスムーズな理由に納得できるはずです。天板が上からしっかり全体を支えているため、下部のキャビネットを1区画だけ抜き取り、代わりに食洗機を組み込めます。
大がかりな解体を伴わずに、必要な部分だけを入れ替えられるのが大きな強みと言えます。
食洗機を拒む「寸法」と「配管」の壁
天板の構造的な違いをクリアできれば導入できるのかというと、現実はそう単純ではありません。
「奥行き」が足りない
ビルトイン食洗機を組み込もうとしたとき、最初に直面するのが本体サイズの壁です。現在主流となっている日本のメーカーの機器は、奥行きとして65cmほどのスペースを必要とします。コンパクトな機器でも最低60cmはほしいところ。
一方でブロックキッチンは省スペースを重視した設計が多く、奥行きは55cm前後にとどまるケースがほとんど。ここに無理やり組み込むと、食洗機だけが手前に飛び出してしまいます。物理的な寸法が合わないことが、後付けを阻む大きな要因となります。
「配管と電源」の通り道がない
システムキッチンには、キャビネットの奥や下に給排水管と専用電源を通すスペースが最初から設計されています。見えない部分にゆとりがあるからこそ、大型の機器を後から組み込めるわけです。
一方のブロックキッチンは、各ユニットの背板や底板で密閉されているつくりがほとんど。壁の裏側から水と電気を安全に引き込むルートが確保できず、ここで設置を諦めざるを得ない状況に直面します。
ブロックキッチンで食洗機を使うには?
それならブロックキッチンだと食洗機は諦めるしかないのかと思われるかもしれませんが、解決策はいくつかあります。
卓上型(据え置き型)食洗機を置く
ブロックキッチンの形を変えずに解決したい場合、調理台や水切りかごのスペースに置く卓上型が現実的な選択肢になります。大がかりな工事を挟まないため、検討のハードルはぐっと下がるはずです。
水栓に専用の分岐水栓を取り付けるタイプか、本体へ直接水を入れる給水タンク式を選べば、今のキッチンのまますぐに使い始められます。毎日の食器洗いに取られていた時間を、大がかりな改修なしでその日のうちに減らせるのが大きな利点です。
キッチンごと「システムキッチン」へリフォームする
どうしてもビルトインのすっきりした見た目や、鍋まで洗える大容量を叶えたい場合は、キッチン全体をシステムキッチンへ入れ替える工事が必要です。
大がかりな改修になるため、どうしてもまとまった費用がかかります。しかし、調理スペースが広く確保できるようになり、継ぎ目のない天板のおかげでお手入れも一気にラクになるはずです。
毎日の家事負担を減らすための投資として、全体の交換を前向きに考えてみるのも一つの選択肢となります。
まとめ
ビルトイン食洗機を後付けできるかどうかは、単なるスペースの有無ではありません。キッチン全体が1枚の天板で繋がった構造になっているか、給排水管と専用電源を通すスペースがあるかどうかが、判断の分かれ道になります。
構造の仕組みさえ把握できれば、ご自身の住まいに合わせた食洗機選びがぐっとスムーズに進むはずです。