スタイリッシュで掃除もラクと人気を集める「タンクレストイレ」。「せっかくリフォームするなら我が家もタンクレスにしたい!」と考える方が増えている一方で、ネット上では「タンクレストイレにして後悔した」「やめたほうがいい」といった声を目にすることもあります。
なぜ人気を集める一方で、否定的な意見も存在するのでしょうか?
本記事では、タンクレストイレの基礎知識をはじめ、導入前に必ず知っておくべきメリット・デメリットを分かりやすく解説します。
タンクレストイレとは?
タンクレストイレとは、その名の通り洗浄用の水を溜めておくタンクがないトイレを指します。従来のタンク式は溜めた水の重みで流しますが、こちらは水道管から直接水を引いて水圧で流す仕組みです。
タンクレストイレのメリット
空間が広くすっきり見える
タンクレストイレを検討する際、一番に魅力に感じるのは見た目のゆとりです。従来のトイレにあった背面のタンクがない分、便器全体の奥行きに余裕が生まれます。
掃除が圧倒的にラク
タンクレストイレは貯水タンクがない分、凹凸や隙間が少ないデザインが主流です。
そのため、埃が溜まりにくくサッと拭くだけで綺麗になります。また便座周りもフラットな形状が多く、日々の手入れにかかる時間を大きく減らすことが可能です。毎日の家事負担を軽くしたい方にとって、大きな決め手になり得るポイントです。
機能性に優れた商品が多い
タンクレストイレは全体的に価格帯が高めですが、その分だけ毎日の負担を減らしてくれる最新機能が充実しています。
具体的には、Panasonic「アラウーノ」の「全自動おそうじ」や、TOTO「ネオレスト」の「便座きれい」などが代表的です。使うたびに自動で洗浄や除菌を行ってくれるため、面倒なお手入れの手間を大きく省けます。
Panasonic「アラウーノ」の「全自動おそうじ」。泡で便器を洗うバブル洗浄や、汚れをはじき、ガードする工夫が凝らされている。
TOTO「ネオレスト」の「便座きれい」。トイレ使用後に「きれい除菌水」を便座裏の先端部分にふきかけ、きれいな状態を保つ。
タンクレストイレのデメリット
デザイン性の高さから人気を集めるタンクレストイレですが、見栄えだけで決めてしまうと、後から思わぬ負担が生じる場合があります。
価格帯が高価なものが多い
タンクレストイレの導入で、一番のネックになりやすいのが初期費用です。見た目のスタイリッシュさに惹かれても、予算オーバーで諦めるケースは少なくありません。
一般的なタンク式トイレの本体価格が7〜15万円程度であるのに対し、タンクレストイレは本体だけで20〜50万円ほどかかります。加えて、タンク上での手洗いができないため、別途10〜20万円ほどかけて手洗い器を設置する工事も必要です。
便座のみの交換がむずかしい
タンクレストイレは、便座と洗浄の機能部が一体化している造りです。そのため便座部分が故障しても、便座だけを外して取り替えることが容易ではありません。長く使う設備だけに、購入後のメンテナンスの手間は見逃せないポイントになります。
仮にメーカー対応で部分交換できたとしても、専用部品となるため高額になりやすい傾向があります。
水圧が足りない場合、詰まることも
デザイン性だけで決める前に、必ず確認しておきたいのがご自宅の給水環境です。タンクレストイレは水道の圧力を直接使って洗浄するため、マンションの高層階や古い戸建てなどでは、水圧不足で詰まりを引き起こすケースがあります。
せっかく新しい便器に入れ替えても、何度も詰まってしまっては毎日のストレスになりかねません。最近は加圧機能を持つモデルも登場していますが、まずは今の環境で十分な水圧が確保できるか、事前に業者へ測定を依頼するのが確実です。
タンクレストイレが向いている人
トイレに予算をかけられる
トイレの日々の手入れを少しでもラクにしたい、あるいはデザイン性を重視して洗練された空間をつくりたいなら、タンクレストイレは有力な選択肢になり得ます。初期費用は従来型よりかさむものの、日々の快適さは大きく変わります。
初期費用や維持費を抑えたい人には向かない
費用をなるべくかけずにトイレを新調したい場合、タンクレストイレは予算を大きく圧迫する要因になります。本体価格が高いことに加え、将来的な維持費もかさんでいくためです。一部の故障でも全体交換が必要になるケースが少なくない点には注意がいります。
タンクレストイレの手入れのしやすさは魅力的ですが、お金と手間のどちらを優先するかは一度立ち止まって考えたい部分です。
初期費用を抑えつつ、タンクレストイレにする方法は?
ネックになるのは高額な本体価格です。予算の都合で諦めかけている方もいるかもしれません。
「少しでも安くタンクレストイレにしたい」と考えた時に、選択肢に入れたいのが有名メーカーが他社向けに製造するOEM(Original Equipment Manufacturing)商品です。
OEM商品
リフォーム会社などが扱うオリジナル製品に目を向けるのも一つの方法です。実際にPanasonicはOEM商品としてタンクレストイレを製造しています。
Panasonicが開発した「ニッカホームオリジナルタンクレストイレ」なら、便ふたのオート開閉など一部の便利機能はないものの、設備費・工事費込みで税込み15万円台から設置可能です。同メーカーのタンクレストイレの価格帯が25~35万円ですので、10万円近く価格を抑えられます。
排水芯の状況やキャンペーンによって価格は変動しますが、自宅に必要な機能さえ見極めれば初期費用を大きく抑えることが可能です。
また、こちらの商品は「Panasonicタンクレストイレ専用の手洗い器」もあわせて設置可能なため、手洗い器がない問題も解消できます。
まとめ
タンクレストイレは、空間を広くおしゃれに見せ、毎日の掃除を劇的にラクにしてくれる魅力的な設備です。一方で、「水圧の問題」や「便座故障時に丸ごと取り替えになる可能性のリスク」といった、導入前に必ず理解しておくべき注意点も存在します。
後悔しないリフォームにするためには、見た目の好みだけで決めるのではなく、以下のポイントを事前にチェックしておくことが大切です。
・ご自宅の水圧や設置スペース(独立手洗い器の設置可否)
・10〜15年後のメンテナンス費用や故障時のリスクを受け入れられるか
もし「故障時のコストを抑えたい」という場合は、無理にタンクレスにせず、デザイン性や清掃性の高い組み合わせトイレを検討するのも賢い選択です。
ライフスタイルや予算、将来の維持費まで見据えて、納得のいくトイレ選びを進めていきましょう。