「10年使ったガスコンロをそろそろ買い替えよう!」そう思ってネットで調べていると、色々聞き慣れない単語が出てくるかと思います。
その筆頭は、魚焼きグリルの水あり・水無しではないでしょうか?
普段魚焼きグリルを使いなれている人でも、ピンと来ないかもしれません。
何故なら、昔の魚焼きグリルは、網の下にある受け皿に水を入れるのが当たり前だったからです。
しかし今は受け皿に水を入れない水無しのグリルが主流になっています。
「受け皿に水を入れないで魚を焼くなんて、危なくないの?」そんな風に思われる方もいるかと思いますが、水無しでも安全に美味しくパリッと焼ける、そんな魚焼きグリルが今はたくさん出ています。
今回は魚焼きグリルの水あり・水無しについてまとめてみました。
魚焼きグリルには、水ありタイプと水無しタイプがある
ガスコンロの魚焼きグリルには、大きく分けて「水あり」タイプと「水無し」タイプの2種類のグリルがあります。
「水あり」の魚焼きグリルの一体どこに水を入れるのか?魚を置く網の下の「受け皿」部分に水をいれます。たとえばノーリツの有水グリルタイプですと、上記の画像のように、受け皿の底に大きく注意書きが印字されているのですぐに分かるかと思います。リンナイのものにも、水位を表す表記があったりと、受け皿を見れば「水がいるのか?いらないのか?」すぐに判別出来るようになっています。
「水無し」タイプというのは、この受け皿に水をいれなくても安全に使用できるため、水無しグリルと呼ばれているのです。
そもそも何故、受け皿に水を入れていたのか?
今まで魚を焼く時、当たり前のように受け皿に水を入れていたという方もいると思います。私の実家のガスコンロも以前は水ありタイプでした。昔は受け皿に水をいれて使用する「水あり」タイプの魚焼きグリルが主流だったのです。
受け皿はごつくて重く、シンクで水を入れるのも捨てるのも一苦労。床に油が混じった汚水が飛び散って困った経験は何度もしていました。
そもそもなぜ、受け皿に水を入れる必要があったのでしょうか?
◆受け皿に水が入っていないと発火する危険性があった
網のグリルでアジやサンマなどを焼いていると、油がぽたぽた受け皿に落ちていきます。この油が底に溜まり、高温になることで火災が起こる危険性がありました。
受け皿に水を入れることで、油の温度を下げる効果があり、発火しないようにしていたのです。
◆受け皿に水を入れることで、煙が出ない効果も
七輪などでサンマを焼いた経験がある方はお分かりかと思いますが、高温の油が下に落ちるとものすごい煙が出ます。水ありタイプのグリルも同様で、水をいれずに魚を焼いてしまうともくもくと煙が出てしまいます。
しかし水を入れることで、煙の発生も防いでいたのです。
◆水を入れることでニオイも防いでいた
煙や油はニオイの元になります。しかし魚から滴る油を水で受け止めることで、キッチンに充満するニオイも軽減していました。
受け皿に水を入れるのも捨てるのも面倒
受け皿に水を入れる重要性は分かりましたが、それでも面倒です。魚を焼くのが億劫になってしまいます。
そこで開発されたのが水無しでも安全に魚が焼けるグリルです。
なぜ、水無しタイプは水を入れなくてもよくなったのか?
端的に言えば、技術が進歩したからです。
水の代わりに空気でグリルの庫内(受け皿)を冷ますしくみが出来、熱は下記の画像のように、受け皿よりも上部に流れるようになりました。受け皿に油が落ちても燃えなくなったので、安全に使えるようになったのです。
技術の進歩で、受け皿に水を入れなくても、同等の効果が得られるようになりました。
※有水グリルタイプは水を入れる必要があります。
◆技術の進歩で、清掃性も向上
技術の進歩で水無しタイプの魚焼きグリルが登場したわけですが、受け皿に水が不要になっただけではなく、清掃性を大幅に向上させるオプションも登場しました。
グリル庫内への油はねを防ぐ、クックボックスです。
各社色々なオプションが出ていますので、ぜひ一度チェックしてみてはいかがでしょうか?
水無しタイプに水を入れたらどうなるの?
ここで気になるのは水無しタイプにも受け皿がある、という点です。
人間どうしても、今までの習慣で水を入れたくなります。特に安全のためにやっていたことなら尚更です。それに水を入れたほうが後のお手入れが楽になりそうにも感じます。
そこで各社のよくある質問を確認してみました。
リンナイ:グリル皿に水を入れるのは×。そもそも水を入れられる形状ではなく、熱の反射も悪くなるので魚の焼け具合も悪くなるとのこと。
パロマ:水不要のグリルになったことで、美味しく焼けるようになったことがくわしく書かれています。やはり水ありだと水蒸気が出てべたべたすると書いてあるので、推奨はされていないでしょう。
ノーリツ:有水グリルタイプには必ず水を入れるように注意書きがされていますが、水無しグリルの場合でも使用後のお手入れが必要だと記載されています。やはり水無しグリルに水を入れてもいいとは書かれていません。
結果:水無しタイプには、受け皿に水を入れる必要はありません。清掃性が向上するような気がしますが、それも水ありタイプのみのようです。
まとめ
技術の進歩で「水無し」タイプの魚焼きグリルの受け皿には、水を入れなくとも安全に使えるようになったことが分かりました。
受け皿の熱があがらなくなったことで水を入れる必要はなくなりましたが、では煙やニオイはどうなるのか?
これも企業秘密ですが、各社の技術開発で煙やニオイを極限まで抑えることができるものが出て来ています。
ここまで見ているともはや水ありの魚焼きグリルにメリットはないように思えますが、しくみがシンプルな分価格がとても安いものが多く、清掃の手間を考えなければコストが抑えられます。
しかしガスコンロの寿命は約10年と長いので、今後のことを考えれば水無しタイプを選んだほうが無難だと言えるでしょう。